昨今、世間で確実に認知されつつある”瞑想”ですが、
欧米の企業や著名人、スポーツ選手などもこぞってマインドフルネスと呼ばれる方法で、心身のリラックスやデトックスを行い、集中力などを養っています。
少し怪しく怖いイメージがありつつも、
自分1人で場所にとらわれずいつでも簡単に出来る瞑想は、決していかがわしいものではありません。
ただ
心を静かに整え、呼吸を意識しながら心身共にリフレッシュすることが目的なのです。
瞑想とは何か
そもそも瞑想の紀元は、今から2000年以上前の仏教において、僧侶たちの間で悟りを得るために行われていたものになります。
宗教や神、苦行などのイメージがつきまといますが、仏教を広めたブッダ自身も
「純粋な心の科学」だと発言したそうです。
それが現代において、心理学や医療の専門家達によりその効果の素晴らしさが少しづつ認められて広まってきたのです。
瞑想は今もなお研究され続けているため、やり方や流派は、国や機関によってなかなか統一されていない現状があります。
その中でも一貫しているのは、
全身の力が無理なく抜けている状態で、緊張をほぐしリラックスした状態から心を「無」に近づけていくこと。
「呼吸」を意識的に繰り返すことによって「何も考えていない」状態を作り、繰り返すことによって心のデトックスをすることが瞑想の一般的な定義です。
簡単ですね。
瞑想の目的
現代になって行われている瞑想は、神と繋がったり宇宙と繋がったりするようなものではありません。
身体の緊張をほぐし、心を平静に保つことで不安やストレスを取り除き、リラクゼーションを得ることが目的です。
また近年ではトラウマやうつなどの精神疾患や
集中力、記憶力の向上などが認められており、企業やスポーツ、アートなどの分野でもパフォーマンス向上のために積極的に取り入れられています。
瞑想の効果とは
瞑想の効果には様々なものがあります。
集中力、記憶力、創造性の向上
カナダのウォータールー大学の研究では、瞑想を毎日10分続けることで集中力が上がるとの結果が出ました。
瞑想によって感情や気分、思考が乱れることを抑制できるようになるためだと考えられています。
また、ハーバード大学の研究では、瞑想をすることにより脳の海馬が刺激されることが明らかになりましたが、記憶の図書館でもある海馬の動きが活性化することは、記憶力の向上に繋がると言われています。
同じように創造性やイマジネーション、クリエイティビティに関しても、瞑想を習慣化することにより脳が整理され、独創的なアイデアが生まれやすくなると言われています。
怒り、恐怖、不安、ストレスなどを抑制
瞑想を行うことにより感情や気分を抑制し、湧き上がってくるネガティブなもやもやをコントロールし、リセット出来るようになります。。
特に自己受容が強くなるような大らかな精神状態を保つことが出来ると言われており、
その結果うつやストレスの解消に繋がるようです。
特に自己受容が難しいと大きなストレスとなり、自分が自分でいることが苦しいと感じるようになりますが、その点も瞑想を続けることによって緩和されていくのです。
また、アンガーマネジメント=怒りの管理、といって日常に起こるイライラに対してもどっしりとした気持ちで向かい合うことが可能になります。
実際にアメリカの研究機関では、瞑想をしたグループとそうでないグループに分け、残酷な映像を見せた際の脳波を量りました。結果は、瞑想をしたグループに感情の抑制の向上が見られたそうです。
自律神経のバランスを整える
自律神経のうち副交換神経が優位になることにより心が休んでいる状態にすることが出来るのですが、
この時に脳はより睡眠に近い状態になります。
人間は起きていて身体的活動が多いと交換神経が優位となり身体が休まることがありません。
これを、瞑想をすることによって身体活動を調整し、自律神経のバランスを整えることが出来るのです。
自律神経が整うことのメリットは言うまでもありませんが、医療機関においても瞑想を継続的に行い自律神経を整えた後、自己免疫が高まったり代謝が上がってダイエットになった、などの興味深い結果もあります。
その他
これらの影響は相乗効果として様々な恩恵をもたらします。
- アルツハイマーのリスクを軽減する
- 睡眠の質を向上させる
- リウマチを和らげる
- 喘息を抑える
- 加齢を抑え、脳年齢を若く保つ
- 高血圧の改善
などなど、人間の生命維持活動の根幹を調整することができる瞑想は
現代を生きる私達にとってとても有益なものなのです。
※これらは心理学、医療の見地から効果を保証/証明されているものではなく、まだ研究段階にあることがほとんどです。あくまで補助的な要素として活用してみて下さい。
瞑想のやり方
ではさっそく瞑想の一般的なやり方、コツをご紹介致します。
1,環境を整える
まず瞑想は数分の間その場所に留まり意識を整えますから、なるべく静かな場所の方が適しています。
できるだけリラックスできる場所で、身体の力を抜ける場所を選んで下さい。
2、リラックスした姿勢をとる
全身の緊張がほどけ、程よく力を抜いた状態を継続できるような姿勢にして下さい。
椅子に腰掛けてもいいですし、べットに横になっても構いません(寝てしまいそうですが)
もちろん、しっかりと座禅を組むと本格的ですね。
3、目を閉じる
リラックスできてきたらそっと目を閉じて下さい。
4、呼吸を整える
ここでは意識的になるべく一定のリズムで呼吸を繰り返すようにして下さい。
ゆっくり吸い込んで(思いっきり深く吸う必要はありません。意識的にいつもより少しだけゆっくりと肺に空気を含むようなイメージです)
それから、ゆっくりと吐いて下さい。これも同様に息が苦しくなるまで吐く必要はありません。
自分のペースを見つけ、穏やかに、リラックスできるような一定の呼吸を意識して下さい。
※この時の呼吸方もさまざまなやり方があり、流派なども存在するようですが、瞑想の目的は心をスッキリさせ透明な気持ちになることです。
なるべく何も考えていない状態に近づけるために、呼吸を意識する必要がある。程度のことです。
例として、3秒吸って7秒かけて吐くというのが一般的かもしれません。
それを瞑想中は繰り返して下さい。
5,何も考えず無になる。無意識になる
“無”というと少し哲学的で小難しく感じるかもしれません。
実際に「何も考えない」ことは簡単に出来ることではありませんね。
ですが、
できるだけ心と脳を空っぽに、呼吸と呼吸をする身体の感覚だけに意識が残されているようなイメージを保ち続けて下さい。
インド式 瞑想
インドのとある瞑想のやり方として、
目の前に美しい小川が流れていることをイメージして、
頭の中に生まれてくる出来事(雑念、想像、記憶など)をその小川に流れる葉っぱに乗せて流してあげる。というものがあります。
ただひたすら、湧いてくる思いを葉っぱに乗せて流してくのです。
それからその葉っぱがゆっくりと流れていく様子を見ていて下さい。繰り返し、繰り返し。
最初は10分程度、から15分30分と伸ばしていく
次から次へと考えが浮かんでしまうでしょうか。
最初のうちは難しいので、1日10分程度、それを毎日繰り返しながら少しづつ時間を伸ばしてあげるようにして下さい。
そうして気持ちが落ち着いて、マイナスなイメージや考えが減ってきたのなら、上手に瞑想が出来ていると言えるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
初めは少しとっつきずらい瞑想の世界ですが、目的はとっても単純。
しかし効果はとても素晴らしいものです。
ぜひ日々の生活の中に瞑想を取り入れて、人生がより良いものになるといいですね。