あー眠い!朝から眠い。疲れがとれていないような気がするし、なかなか起きられない。
お昼ご飯を食べたあと、急激に襲ってくる眠気、なんとか起きていたいのにまぶたが重い!
あの眠気に抗うことはなかなか出来ませんよね。
しっかり寝たはずなのにどうして?
温かくてぽかぽかしてくると決まってボーッとしてくる。気づけば頭をフラフラ、きっと半目でひどい顔。
そんなあなたに、今回は昼寝(仮眠)をオススメ。
まだまだ知らない睡眠の世界と睡眠負債を貯めない方法、効率的に昼寝をして日中のパフォーマンスをアップする方法をご紹介致します。
睡眠について
人間の日々の睡眠時間として、健康リスクや長寿との関連性をみると、最適なのは6~7時間程度と言われています。
中には9時間や10時間と個人差はありますが、心臓病の発生率と睡眠の因果関係の調査では7~8時間睡眠の人が最も心臓病になりにくいという結果が出ています。
また、6時間未満の睡眠では心身へのリスクが高まると言われており、アンチエイジングの中心とも言われる成長ホルモンは、その7割が睡眠中に分泌されるため、それほど睡眠と健康は密接な関係なのです。
睡眠のサイクル
睡眠は、浅い眠りの状態「レム睡眠」と、深い眠りの「ノンレム睡眠」の大きく2つに分類され、
レム睡眠とノンレム睡眠が1セットで1サイクル、およそ90分になります。
そのサイクルが一晩の睡眠の中に4~6回繰り返されています。
しかし、たとえ最適な睡眠時間を確保出来ていたとしても
いびきや尿意、寝室の温度調整や寝る前の行動によって睡眠が阻害されてしまいます。
正しい睡眠時間があったとしても、日中異常な眠気に襲われるようであれば、まずはその生活週間から見直すようにしましょう。
睡眠負債
「睡眠負債」とは、日々必要な睡眠がとれていないため、慢性的な睡眠不足のことを指します。
寝ていない分は借金となり、健康に対する弊害として脳の活動が低下し、集中力や思考、記憶力の低下、または肉体的な疲れ、倦怠感が回復しない状態になります。
また、あまりにも長時間寝ることによって翌日寝付きが悪くなってしまうのは、睡眠を先取りしてしまうことによって体内時計のリズムが乱れてしまうことが原因です。
逆にどうしても徹夜しなければいけないようであれば、徹夜の前に仮眠をとっておくことである程度は睡眠を前借りすることが出来ます。
しかし体内時計は夜の過ごし方より朝の過ごし方の方が重要視されており、
体内時計に大きな影響を与える「メラトニン」と呼ばれるホルモンは、その活動のスイッチを入れるためには朝陽を見ることだと言われています。
適切な時間にスイッチが入ったメラトニンは、その後14~16時間くらい経過したタイミングで分泌を開始し、眠気を誘います。それがちょうど就寝前の夜ですね。
なぜランチ後に眠くなるのか
上記のように質の悪い睡眠や、充分な睡眠時間を確保出来ていないために日中眠くなるケースや、体内時計が狂っているケースはもちろんありますが、
睡眠が充分でも眠気はやってきます。
ランチを食べた後14時頃に襲ってくる睡魔。
これは「アフタヌーンディップ」と呼ばれ、人間が本来持つ生理機能なのです。
アフタヌーンディップは満腹感からくる充足感や、けだるさが睡眠を誘い、健康な人でも14時頃には自然に眠気がやってくると言われています。
※消化のために脳の血流が減ると言われていますが、実はこれは間違いなのです。
昼寝(仮眠)について
忙しない現代社会に生きる上で、ストレスなく最適な睡眠をとることはなかなか難しい方もいるでしょう。
ですから、昼寝(仮眠)をとることによって脳をスッキリと癒し、仕事や勉強が効率的に行えるよう対策していきたいと思います。
仮眠は、NASAやGoogle、アップルなど世界的な大企業も業務の間の仮眠を推奨しており、眠気のピークである14時頃に仮眠をとることでリフレッシュし、業務効率が格段に向上しているのです。
うとうとと脳が疲れている状態では、ルーチンワークのパフォーマンスが下がったり、大事な会議の場面で創造性やそもそものやる気が低下してしまったりと、昼寝はその悪循環を解消するための大きな手法と言えるのです。
また、ヨーロッパでは昼食後の昼寝を「シエスタ」と呼び、ビジネスマンや主婦においても昼寝は日常的なものなのです。
昼寝の効果
前述した大企業の仮眠の取り組みから明らかになった研究結果では、
宇宙飛行士が26分間の仮眠をとることで、認知能力が34%、注意力が54%も向上しました。
また、アテネ大学医学部の研究発表では、昼寝をすることにより死亡率が37%下がるとも言われています。
それ以外にも下記のような効果が期待されます。
- 集中力の向上
- 血圧低下
- 認知症発生リスクを下げる
- 自立神経の安定
- 免疫力の向上
- ストレス解消
※いずれも適切な仮眠をとった場合です。逆に過度な睡眠をとると悪影響を及ぼす可能性があります。
昼寝(仮眠)の方法
最適な仮眠をとる方法をご紹介したいと思います。
今回はケース別に3パターン順にご説明していきます。
パワーナップ
パワーナップとは、正午の早い時間、14時~15時までの間に15分から30分程度の仮眠をとることです。
コーネル大学心理学者の造語で「パワーアップ」と「ナップ=昼寝」をかけ合わせたものになります。
午後の仮眠で大事なことは30分以上寝ないことと、15時以降は逆効果であること。
そして横になってはいけません。できれば椅子に座った状態で寝るようにしてください。
15~20分程度が最適と言われていますから、横になった状態で深い睡眠に近づいてしまうと、起きるのが辛くなってしまいます。
座ったまま、椅子や壁にもたれかかるような姿勢で目をつぶって下さい。
※机に突っ伏した状態では首に圧力がかかり、起きた時に痛みやダルさが残ります。
この時、部屋は暗くする必要はありません。
しっかり照明を落としてしまうと起床が難しくなりますから、できれば薄っすらと光を感じるようにアイマスクを付けるのがベストです。
また、ベルトや時計、アクセサリーなど身体を締め付け適度な睡眠を阻害するため、外すようにして下さい。
尚、仮眠前にカフェインを摂取しておくと、カフェインが効き始めるタイミングがちょうど30分程度なので、スッキリ目覚めることが出来ます。
ホリデーナップ
ホリデーナップはウィークデーにするパワーナップとは対照的に、休日の午後、平日に溜まったストレスや疲労を回復するのに大変役立つ仮眠方法です。
医学部に、寝だめは効果が認められていませんから、平日の睡眠不足を休日に長い時間寝ることで補うことは出来ません。ホリデーナップをする日の朝も、平常時と同じような時間帯に目覚めるようにして下さい。
ホリデーナップはパワーナップと違い、「90分」の睡眠をとります。
90分はレム睡眠とノンレム睡眠の1サイクルとなり、上手に使いこなすと6時間相当の睡眠と同程度の回復効果が見込めると言われています。
また、リラクゼーション効果や癒し、ストレス解消、睡眠負債の調整、その後の予定の活力向上などに役立ちます。
ホリデーナップは12時~15時の間で、就寝用のベッドで寝ます。
身体を締め付けるような服装、アクセサリーは外し、就寝時同様パジャマで寝ることをオススメします。
こちらも15時以降の仮眠はその後夜の睡眠の妨げとなるので控えて下さい。
1分間仮眠
それでも時間がとれない。仮眠なんて無理。
そんなあなたに1分間仮眠はいかがでしょうか。
1分間仮眠は、うっすら眠気を感じるようなタイミングで、
椅子に深く腰掛けるなどのリラックスした状態で、1分間だけ目を閉じる方法です。
たったこれだけでも、視覚から入ってくる情報を遮断し瞑想状態に入ることで、思考や記憶、感情が整理されリフレッシュすることが出来ます。
仮眠が禁止されているような状態であるなら、ちょっとした空き時間やトイレなどでもさっと実践出来ますから、ぜひ試してみて下さい。
目覚めたら
仮眠が終わって目覚めたら、できるだけ早くストレッチをするようにして下さい。
軽く首を回したり、身体を反らせる程度で問題ありません。
仮眠時、一時的に下がっていた体温が上昇し、血流が勢いを増すことにより脳が覚醒します。
できれば冷たい水で手や顔を軽く洗い、日光を浴びることでメラニンの分泌を抑え、
寝不足時の苦しさではなく、スッキリとした壮快な感覚を得ることができます。
まとめ
いかがでしょうか。
体内時計のバランスが崩れてしまい、慢性的な睡眠不足や不眠に悩む方は、ぜひ上手に仮眠をとって効率的な毎日を過ごして頂きたいと思います。
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